In medio stat virtus

雰囲気研究者です。

2019年を振り返る

今年は修士号を取得し、博士課程として歩み始めた1年目でした。

全体的に、活動の幅を広げ、これまでやってきたことが形となり、次の成長段階へ差し掛かっているなと感じています。

 

研究面

論文の採択

今年は論文2本が出版されました!

1つは修士の間ずっと書いていた日本語論文、もう一つは国際学会でベストペーパー賞を取って投稿の推薦をもらった英語論文です。

執筆自体は去年やっていたもので、今年は査読対応くらいしかしていませんが、業績が増えることの喜びをようやく知れてよかったです。

あと、英語論文は早速引用してくれている方もいて、英語で発信する重要性も実感できました。

今年は別のことにリソースを割いて論文の投稿ができておらず、それが反省点です。今年度中には投稿したいと思っています。

DC2に採択された

今年は念願のDC2に採択されました!!

DCに関するエントリはまた別の機会に作ろうと思いますが、採択された要因は

先輩からのアドバイスで、これまでの研究とこれからの研究が全て積み重ねてつながっているような説得的なストーリーにしたこと、論文が採択されて実績が増えたことかなと思っています。

採択された身分として恥のないように、研究者としてのスキルと基礎的な知識のインプット、そして研究成果を積み上げたいと思います。

研究計画

今年は、自分の研究テーマである「反転授業」の授業設計をする手順や枠組みの開発と、先輩の授業でデータを取得させてもらいました。

前者については、開発研究の難しさを感じました。インストラクショナルデザインや学習研究、学習科学研究を参照しながら考えていくと、理論や先行研究に基づいたものもできあがりますが、一方で使いやすさから遠ざかる気がしてしまい、今も悩み試行錯誤をしながら進めています。博士課程で一番力をいれたい内容なので、スクラップアンドビルドを回して改良したいとおもいます。

 

スキル面

今年は研究よりも自分の基礎を作るために自己投資をした一年でした。去年よりも「できる」が増えたなと思います。

話し方レッスンを受講して人前で話すスキルを鍛えた

前回の記事で話し方レッスンを受けたレポを書きましたが、今年は半年間、三木さんの話し方レッスンを受けて「人前で話すこと」を鍛えました。

昨年までの悩みが、みんなの議論の場にいても自分の考えがまとまらず、「あ〜〜」と相づちを打った後に何もいえなく沈黙になる、といったことや

「これを言おう!」と思って喉まで出た瞬間に、「本当にこんなことを言っていいのか?」とためらって自身がなくなり、尻すぼみになったり発話が消滅するというような、聞き苦しい話し方をすることにひどく悩んでいました。

半年のレッスンを通して、

①考えがまとまらないときは例えばオウム返しをしたりゆっくり話すことで考える時間を設けること

②間違えたことを発言する怖さよりも「あとでどうにかフォローしたらいい精神」で、まずは自分が会話を楽しむほうが結果的に良くなること

③「伝える」ではなく「伝わる」ためには、自分がうまく話せているか?みたいな自分視点だけではなくて相手を観察して相手の気持ちに立つ余裕を持つこと(自信がなくてグズグズするのはこの点でもよくない)

ということを実感できました。

英会話を続けた

国際学会でカジュアルな会話ができない自分がとても恥ずかしく、博士課程の間に英語をどうにかしたい!と思ったので、対面の英会話スクールに通い始めました。

オンライン英会話は挫折をしてしまったり、自分にとって適切なコースがどれかわからずずっと教材をしっちゃかめっちゃか変えてみる、という落ち着きのない学び方をしていました。

通ってみると

  1. 対面だと先生と仲良くなるにつれて行くインセンティブが高まる
  2. カジュアルトーク+テキストでの学びがあるからプログラムのゆるさが自分に丁度いい
  3. コーディネーターさんが最初の3ヵ月くらいはスケジュールを組むところから立ち会ってくれるので行くことが習慣化する
  4. いかないといけない強制力があるから続く

などなどの良さがありました!

高校から語彙力が課題で、今もそれは課題としてあるのですが、今日あったこととか自分の考え・研究などを話せるようにはなってきて、英語恐怖症からは脱することができてよかったなーと思います。

学会や日常生活でも英語で話さなくちゃいけなくなったとしても「どうにかなる」と思えることは、個人的には大きな収穫でした。

議論の場へ参加するようになった

春から未来思考学会が主催している議論の場「我塾」に通うようになり、月に2回議論をする場へ参加するようになりました。

https://www.futurethinkingsociety.org/

 

未来思考学会とは,ロボット研究者である大阪大学石黒浩先生が設立された学会です。
この学会のルーツは,異分野の中〜大学生や研究者などを集めて学んだことの枠にとらわれない議論をし,自らが開拓された学問分野の枠を捉え直したり発展させていくためのアイディアを得ることを目的に石黒先生が設けたプライベートな議論な場(我塾)からきています。
今年の春から隔週で,感情とはなにか?意識とはなにか?などをテーマに議論をしてきました。回数を重ねる中で,よりこの活動を発展させたいという思いから,この夏,我塾を学会にする形で,未来思考学会を発足されました。

私は知り合いの先生から紹介していただいたことをきっかけに,初回からほぼ毎回石黒我塾に参加させてもらっていました。
この参加をきっかけに神経心理学の本を読んでみたり人間とは何なのか?学びとは何なのか?を考える機会が増えました。
また,工学分野の人だけでなく,芸術系の学生や中・高校生とも話すきっかけができ,毎回刺激的な時間を過ごしています。

先ほど述べた「話し方」だけでなく、自分の思考を言語化したり、高速に物事を多角的に考えるトレーニングをさせてもらっており、自分が苦手だなと思うところでもあるので、来年も伸ばしていきたいと思います。

 

学業面

宇宙関係

今年はパラボリックフライトの実験結果を京大の宇宙シンポジウムとMoon Village Associationsの国際シンポジウムで発表させてもらいました。

前者のシンポジウムではありがたいことにポスターの最優秀賞ももらい、

その先々でまた新たな宇宙関係の方と知り合うことができました。

具体的には、JAXAの方と知り合ったり、パラボリックフライトの経験がきっかけで武井壮とお話させてもらえたり、テレビにちらっと写ったりと発展がありました!笑

(今年は武井壮と2回も会うことができてラッキーだった)

また、9月には肝付町のツアーに参加し、内之浦宇宙空間観測所を見学させてもらいました!

そこでも宇宙の広報活動を頑張っている学生と知り合えたりして、人脈が広がる喜びと、宇宙の学際的な場としての魅力を何度も感じた一年でした。

 

非常勤授業

秋学期から初めて非常勤授業を2つ担当させてもらいました。

1つはExcelの操作を教える授業、もう1つは統計学を教える授業です。 

前者では実技系なので学習者によってもともとのスキルレベルが異なることの難しさや、1人で40人近くを同時に見ることの難しさ、授業の難易度を挙げていくさじ加減の難しさを感じました。

後者は、自分自身統計の理解があまり深くないということもあり、授業準備と自分で理解をする…を回していくのが大変でした。

ネガティブな面ばかり述べましたが、何よりも自分が実際に授業を受け持ったり学生と対話をすることで、授業づくりの面白さや負荷を実感できたのが大きな発見でした。

毎週学生のリフレクションシートにコメントを返すということの大変さも感じ(たまに溜めてしまいましたが。。)、授業開発研究をしている自分としては、重要な一次情報を得られたなとおもいます。

そして、何よりも学生さんにより良い大学生活を送ってほしいですし、それに貢献したいという気持ちもより一層増しました。

なんといっても、学生さんがとにかくかわいい。。「面白かった」とか「ありがとうございます」と一言いわれるだけで心が暖かくなって疲れも吹っ飛んでしまいました。

私自身の授業力量が至らないところもあり十全な授業を提供できたとはいい難いのですが、来年や再来年も担当させてもらい、何度か回していくことで慣れていけたらいいなと思います。 

 

 

来年は研究実績作り、英語力の向上、宇宙教育のアクションを起こす、リベラルアーツの造形を深める、議論の回し方や思考の言語化を向上させることを目指したいです。